2011年4月15日金曜日

本日一番苦笑したニュース


このニュースには苦笑させられた。不謹慎だがお許しを。
「福島原発事故レベル7は過大評価」ロシアの原子力専門家
日本政府が12日、福島第1原発事故の深刻度を国際評価尺度で旧ソ連のチェルノブイリ原発事故並みの「レベル7」に引き上げたことに対し、ロシアの専門家らからは「過大評価だ」などと疑問の声が上がった。タス通信が伝えた。
国営原子力企業ロスアトムのノビコフ報道官は「当初の評価(レベル4)は低すぎたが、今度は振り子が逆に振れ、高すぎる」と指摘。事故発生時に深刻な健康被害が出ていないことなどを理由に、レベル5より高くはないとした上で、レベル評価を含む政府の対応をこれ以上非難されないための政治的判断との考えを示した。
ロシア科学アカデミー原子力エネルギー安全発展問題研究所のアルチュニャン副所長は、福島の事故で住民が浴びている放射線量は、日常生活で自然環境から受ける量の10分の1程度であり「健康への影響から判断すればレベル4にも届かない」と述べた。

日刊スポーツ4月12日の記事
http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp0-20110412-760410.html

「過大評価」というのも日本語としてどうだろうか。これだとロシア側が「もっと上の8とか9だ」と言っているようにも取られかねない。もちろん本文の通りでロシアの専門家が主張しているのは「せいぜい5とか6だろう」ということだから(今度は下方修正が必要なくらい)「評価7は過剰」といったほうがふさわしいのでは。

「何故?ありがたいことではないか」という印象を持った方もいるかもしれない。そうではない。これは下手するとロシア(旧ソ連)のプライドをズタズタにしてしまう可能性があるので彼らは予防線を張ってこのようなことを言い出しているに過ぎない。

6年以上も前のことになるが、国際政治学が専門の某国立大学准教授(当時は助教授だったかもしれない)が「ロシアはチェルノブイリ事故をネタにヨーロッパ各国をゆすっている」と言っていたことも思い出した。

この福島第一原発の事故がチェルノブイリ並みだと世界的に認知されてしまうと、今度は今まで通用していた「人類史上最悪の原子力発電所事故」を理由に各国からいろいろな名目で金を引き出させていたロシアがそれが出来なくなる。

おそらくこの福島原発事故がフランス・アメリカ(IAEA)主導で収束してしまうと(自分はそれを願うが)、25年前に起きて今尚深刻な被害を周囲に撒き散らしているチェルノブイリ原発事故のロシアの対応策の拙さが浮き彫りになってしまうだろう。世界各国からは「ロシアよ、おまえは何をやってたんだ」と非難される可能性が出て来る。そういうこと。まあだから自分が「思わず苦笑」というのはロシアの当事者達の情けなさに対するもの。

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