2005年12月12日月曜日

片寄った見方ではあるが

TVでダイエットを取り上げると視聴率が良いようで。
自分も今、体重が76キロ近くあってBMIとかで言うと10キロ近い体重超なのだ、実は。身近に体重増を指摘してくれる人がいないせいもあるが、4年前の1月に52キロしかなかったことを考えると今の体重はとんでもない肥満なんだよね。

でもダイエット関連のTV番組にはほとんど関心がない。無理して痩せるつもりはさらさらないからな。日曜の夜九時にやってる「あるある~」というやつもあまり見ない。ただ時々勝手に録画されていてそれ見ることがある。キーワードのひとつが「伊集院光」らしいのだな。

伊集院光はこの番組の準レギュラーらしい。確かに、テーマがダイエットのときにはうってつけなのかもな、一般的にはいわゆる「デブタレ」のひとりとして重宝されているし。

で今回の番組のタイトルが「タイプ別ダイエット」。体質別に効果的なダイエット方法というものがあって、それを間違うと痩せないよ、とあいかわらずのお説教を垂れてくれるわけだが、見ているうちに気分が悪くなった。

世間で今「寒天ダイエット」なるものが漫延していることはなんとなく知っていた。10月ころだったかか、必要があって棒寒天を買いに行ったのだが何処行っても売り切れだったからだ。

名前出しても差し支えなさそうな大型スーパーを何軒も回ったんだが何処にも棒寒天を売っていないのだ。店員に聞いたら、ダイエット食品としてブームになっていて品薄状態なのだと言う。粉寒天はあるというのにだ。

案の定、番組中に司会者が「この番組が火をつけたと言っても過言ではない」と言いきっていた。

腹が立ったね、なんなんだろこの得意気なもの言い。しかも大事な部分で明らかな嘘をついているというのにだ。

自分の知識でだが、ダイエット目的ならば寒天が棒寒天であろうが粉寒天であろうが大差ないはずなのだが。

もしこの番組で「棒寒天」の方がダイエット効果が高いと言っていたとすればそれは単純に固まり易さとか食感の違いくらいだろう。

今回の番組では、寒天やら番組で取り上げた食品でのダイエットで効果が出ないかった過去のモニターに対して別の食品ダイエット方法を試させ、さも効果が出たかのようなことを喧伝していたのだが、またもやそれが本当に医学的科学的に裏付けされた結果なのかは明らかにはされてなかった。

いや簡単なことなんですよ、試験者を毎日医者に診てもらい、食事量(摂取カロリー)の増減や運動量をチェックすればいいんだから。

「医学的にちゃんとしている」と断言するならそのくらいは明らかにしてほしいものだなと思った。しかし今回の番組では棒寒天ではなく粉寒天を勧める気弱なモデファイぶりには少し笑わせてもらった。まず最初に棒寒天ばかりを強調した誤りについては訂正はなくスルーしたまま。まあこの辺は所詮バラエティだししかたないか。

それよりなにより害があるなぁと強く思うのは「食品によるダイエットの弊害」そのものについての方だ。

やはりいまだに多くの日本人には「痩せる食材」が存在するという幻想があるようだ。

はっきりいうけどそんなもんありません。

あるとすれば肥満の要因を遅らせたり、阻止する成分を多く含んだ食材ということだろう。

いきなり酢を飲みだしたりしても痩せはしない。順番からいえば、運動により疲労した体内で脂肪を燃焼するために酢の主成分であるクエン酸などが効果的というだけであって酢そのものに痩せる効果はない。にわかには信じられないかもしれないが、日常的に激しい運動をしている人間には、マヨネーズはダイエット効果がある食品なのだ。なにしろマヨネーズもまた酢を含んだ食品なので。しかし運動量の少ない人間にとってマヨネーズはいわゆる「太る食品」の代表格なわけで。

また、ひとつの食品食材に頼ったダイエットの危険性についてはいうまでもない。たとえ一時的にダイエットに成功したとしても基礎代謝量が変わっていない以上、一種の過剰摂取である限り効果がなくなったり、あるいは摂取をやめた途端、前よりも太りやすくなってしまう危険があるからだ。

番組を作っている当事者にそういった配慮があるとは到底思えない。最後テロップか何かで断り書きが出るかなと思ったが結局なんもなし。

しかし、感心したのは伊集院光の番組クラッシャーぶりの方だった。伊集院は番組の終りの方で半年で15キロも痩せたことを語り始めたのだが、それは移動手段を極力自転車にした結果なのだな。つまり食品に頼ったダイエットではないと言いきったのも同じである。ラジオの情報だが、東京=熱海間を往復するかなり本格的なバイカーらしい。

そんな伊集院が一緒に並んでいた北陽の片割れの虻川(典型的な、食品に頼ったダイエット法の実践者)よりも体脂肪率が下だということも判明してしまった。男と女の違いはあるが、虻川が「体脂肪率はかわんない」とぼやいていたことを考えるとこれは笑えた。番組的には大失敗なのだが何故かカットもされずにオンエアされたし。

もし真剣にダイエットを考えている人間がこの番組を見てたならば、明けた今日あたりスーパーにダイエット食品を買いには行かずに自転車屋さんに自転車を買いに行くはずだろう。(笑)まぁそんな人はいないだろうけど。

で、何故自分が積極的にダイエットをしないかだが、それは太った原因が分かりきっていて放置っていても痩せると確信しているからと、いわゆる、痩せること、体重を落とすことが目的のダイエットの弊害を一度体験しているからだ。

結果的に痩せるダイエットと、痩せることが目的化したダイエットは完全に別物だ。
そこをわからないでいる人間はまだまだかなり多いな。何処かの出版社でダイエット本を書かせてくれないかな。5万部とはいわないが2万部は保証しまっせ。いやマジで。

05.12.12.09.00

※追記
フジテレビ・関西テレビの番組「あるある大事典Ⅱ」の中の嘘について言及した一文である。もちろんこのころ自分はその後この番組が捏造行為の発覚によって世間から袋叩きにあうなんてことは少しも考えたことはなく、だこの番組の胡散臭さ、捏造の存在についてなんとなーく匂わせるような書き方に留めている。

こうなるんだったらもっと大々的に「この番組には嘘がある」とはっきりといえばよかったなと思う部分はあるのだけれど、それは別に自分だけが気が付いていたとかではなく、ネット上のさまざまHP、ブログですでに言われていたことでもあったのだ。それを知っていたので自分はここではこの番組を叩くような書き方をするのは控えた。

要するに、自分よりも適任だと誰もが認める人たちがいたから自分はしなかった、ということである。

いなければ自分がやっていただろうな。たぶん。こういう性格ですから。

それとこれもはっきりと書いておかなければならないだろうが、あれから約2年後である今現在自分の体重は公約どおり64キロまで落ちた。これは痩せるためのダイエットをしたから痩せたというのではない。

するべきことをしていれば体重なんてほおっといても落ちる(平均的な値に落ち着く)ものなのである。

落ちない、あるいは増える(体脂肪率か上がる)というのは何かが決定的に欠乏しているか、あるいは逆に過剰だからである。それを知るところから始めれば誰でも体重は落ちます。断言します。
2007.08.08.22