2012年7月12日木曜日

パンダ死亡

逆にVANさんというかたから「上野のパンダに関する予言とか来るようになったら一流ですね」みたいな、半分以上本気とは思えないメールが来ていたりするくらいだからここでそれについて書くのもどうかという気はしている。
まあ自分が書きたいのはそういうこと(予言の類)ではない。
「上野動物園のパンダの新生児が死んだらしい」というニュースを耳にしたのはその日の午前中だったか。たぶん、TBSの速報よりも早かったはずだ。
「今、東京都から電話もらいました」と仙台市の職員が押し寄せる電話での問い合わせに閉口するかのように上司に報告する姿を自分はこの目で見ている。その後になってから誰かが「東北放送(TBS系列)で一報!」というような情報が流れたようだった。
自分はなんかめんどくさいことになりそうだなと感じ、その上司に向かって「じゃ 昼だし、俺はここいらで」と暇(いとま)することを告げた。そうしたら、上司の顔にほっとしたような表情が浮かびうなずいたのが印象的だった。
「あなたどこにいたの?」と言われそうだが、申し訳がないがそれ以上のことは業務上の守秘義務で書けない。
さて、仙台市が上野のパンダのことにナーバスになっているのは、おそらく来年か再来年には仙台の動物園にパンダが来ることがほぼ決まっているからだろう。
単なる気分でこんなことを書くのではない。
自分は仙台にパンダはいらないと思う。そしてそれは意外にもというか当然というべきなのか仙台市民のほとんどがそう考えている。
では誰が積極的に「仙台にパンダを」と推し進めているかというと、むしろ仙台以外のところの人たちがほとんどだということが明らかなのである。
「何故仙台にパンダ」なのか。ホントによくわからない。考えれば考えるほどわからなくなる。
むしろ「仙台なんかにパンダを呼んで来ることの無意味さばかりがクローズアップしてくるくらいだ。
たとえば、積極推進派がパンダ招聘の理由として挙げている経済効果だが、試算がどうにも怪しい。「5年間で50億」というのはいくらなんでも盛りすぎ。誰でもがわかる。その中身を確かめると
「上野動物園や王子動物園では、ジャイアントパンダの導入初年度で入場者数がほぼ倍増となっております。八木山動物公園についても、同様に入園者が倍増すると仮定した場合、50万人ほどの増加が見込まれることから、これに平成21年度宮城県観光動態調査の平均消費額を掛け、経済効果を50億円と推計したものです」(仙台市のホムペに同内容の記載あり)などと書かれた答弁書がかえってきたりするのだ。
アホすぎる。突っ込みどころ満載でしょう。パンダ二頭目的で仙台(の動物園)に日本各地から五年間も人が押し寄せると踏んでいるのだこの人たちは。
そして、観光客が増えようが増えまいが、年にパンダ一頭につき年に約一億、つまり二億ぐらいの費用は必要になる。その費用を仙台市は「出したくない」といっているのだ。
じゃなんのための施策なのだろう。こんなザルだらけの試算を誰が喜ぶのか誰が歓迎するのだろう。「子供たちの笑顔のために」というのはお題目として立派だが、しかしこの美辞麗句に踊らされて結局泣くことになる人ばかりが続出するだけでしょう。
自分は個人的にこのパンダが来るという「八木山動物公園」に対して恨みもなもないけれど、もしパンダを招聘してそれを観光の目玉にというのであればそれはあんな山の上にある動物公園ではなくて、もっと市中に近いところに新たに特別な施設として作るべきだろうし、「経済効果は二の次」というのであれば、やっぱり仙台市は自力で予算をまかなうだけの体力をもつべきだろう。
「上野や王子」なんていう大人口地区をバックにしたところの実績をもってきて、それは100万規模の地方都市のそのさらに山のほうにある動物公園で起きるとかいうのは無理がありすぎる。起きるはずはない。
いうまでもないことだが、上野公園はアクセスのよい平地の、しかも人口の密集地にあるし、神戸の王子公園もまた海沿いの交通のアクセスのよい(市役所から5キロ)にある中心地にあるのだ。
これらを持ち出してくるのがいかに愚かなのかぐらいは誰でもわかるでしょう。
だから自分はこれをもってして「仙台(八木山動物園)にパンダはいらない」と強く主張している。

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