2012年3月25日日曜日

奇跡体験!アンビリバボー (3月22日)の嘘 インチキ デタラメ 03

前にもご紹介した「ひらかつ」さんのご協力で海外のサイトにあったこの22日放送の「奇跡体験!アンビリバボー」のマヤ予言に関するパートを見ることができた。

決して褒められた行為ではないが背に腹は変えられない。向こうがどこまで本気なのかはよくわからないけれども、こちとらも必死というか真面目なのである。

しかし酷い内容だねこりゃ。前半の衝撃映像とか可愛い動物特集みたいなので押し通せばいいものを、この番組、ときどきこのようなカビの生えたような、つまりネタバレしたインチキオカルトに手を染めるから価値を数段落としている。

欠点のひとつが、こういう「インチキオカルト」で番組を締めるものだから、最後に登場するビートたけしが只のピエロ、つまり馬鹿野郎にしか見えなくなるんだが番組としてもそれでいいということなのだろうか?


自覚はあまりなかったのだが、このブログ活動のお陰で日本で有数の「マヤ予言のオーソリティー」になってしまった自分から見て(笑)このパート約30分の中には看過できない嘘・インチキ・ハッタリがテンコ盛りであった。

いやマジでさ。本気になればこの番組のネタだけで、自分ブログ記事20本は書けますもん。やらないけどさ。

でも、どんなに要領良くまとめても10本以下にはできないだろうね。こまったもんである。いまのうちから胃薬のストック買いに行って来ようかと。

まずは小ネタというか「お笑いポイント」の追加を。

最初メールでこのこと知ったときには「嘘だろ」と思った。唖然とした。
「いくらなんでもそれは…」である。

それはこのシーン。

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番組の取材班がメキシコを訪れてマヤの子孫と会うというシーンである。
彼らのほうから、伝統の『火の儀式』を執り行っている最中のところにに来てくれなんていうはずもないので、これは演出だろう。

インパクトのある絵(シーン)が欲しくて取材陣がマヤの子孫だという人たちにお願いしたのでこうなったとのだと思う。

まあこれも問題といえば問題だが、その直後そんなことなんかぶっとんでしまうようなとんでもないシーンが流れるのである!(陳腐なバラエティ番組ならばここでCMが入るだろう)

さてその問題のシーンだが、この『火の儀式』のシーンのビデオを見ていたスタジオの面々の中にいた作家の荒俣宏がなんと「マヤ語を使っている」と断言したのだ。

すげぇ。荒俣さんは耳で聞いてその謎の言語が「マヤ語」ってわかるんだ。

それこそジュセリーノ並みの語学の天才設定ってことになるのか、この番組的には。

断言するが、マヤ語なんて日本人が勉強して身に付くようなものでは決してないぞ。
そもそも「マヤ語」というが、大きく地域分類して五つの体系、細かく別けると20以上30近くの部族語にも分かれているものを総称したのが「マヤ語」だからだ。

ビデオで流されている音声を聞き分けてそれが「マヤ語である」とか断定できる人は本国メキシコ・グアテマラ合せても1万人もいないだろう。(註)

誰だよこんな子供騙しみたいな台本書いたやつは。もう信じられねぇようなミスだな。シロートかって。おまえら揃いも揃ってなにバカなことやってんだよ。

というか荒俣さんもそんな簡単なことに気がつかなかったのかね。自分の口にしたセリフが実に胡散臭いものであることに。

まあ普通の視聴者ならばこういうシーンは笑うのが正しいんだろう。基本この番組、笑ってナンボのお笑い番組だもの。テレビから腹の底から笑える「お笑い」が減った今、大作家の荒俣宏がわが身を削って渾身のプラクティカルギャグを放ったと思えばいいんじゃないのかと。

しかし自分は笑えないね。こういうのは。見ていて頭を抱えたくなる気持ちのほうが強い。だって恥ずかしいじゃない。


[註]すべてのマヤ部族の話語を理解できる人間は皆無だと言われている。




[追加]

新記事に付け加えようかと思っていたが、次の次の記事ぐらいまですでにぎっしり書くことが詰まっている状態なので追加で書いておきます。

まず自分のことを「マヤ予言のオーソリティー」だとか書いたのはもちろんジョークとしてで、本気でそんなことを思っていたりするわけではない。一ミリも。

ただ、前の記事、検索のことについて書いたときには触れられなかったが、普通の人がネットで「マヤ予言」が本当に本当の人類滅亡の予言なのかとか調べようとして「マヤ予言 真実」というようなキーワードで検索をしたりすると、トップに出て来るのがこのブログだったりするものだからだろう、私のことをマヤ予言の専門家と思いこんでメールとかしてくる人が結構いたようだ。残念なことだが。

何が残念かというと、そういった質問のメールに返事を出したりすると、必ずといって皆が「はじめてこのようなちゃんとした返答を頂きました」というような謝辞が返ってくるからだ。

つまりは、ほかにこのようなテレビでやるインチキオカルトに対してひと言「あれは嘘」とはっきりと言い切る人がいないということなのだろう。それが残念なのである。

大作家荒俣宏の「マヤ語を使っている」というセリフのことについて「よく気づきましたね目からウロコでした」というようなコメントが何通も来ている。

まあ書いたとおりで最初に気づいたのは自分ではない。なにしろ自分はそのメールが来た時点では番組(の録画)は見ていなかったのだから。

しかし、おそらく放送を同時間ナマで見ていたとしても、自分もすぐに気づいただろうと思う。

何故かというと、こちらで時折メールを紹介している中米系の女性もまたマヤの血を1/16だったか引いているというマヤの子孫の方で、彼女が「自分もマヤ語はひとつもわかりませんし(マヤ古代)文字も全然読めません」と書いてきていたのを記憶していたからだ。

決して彼女が特別なのではない。グアテマラ、ベリーズ在住のアウターチルドレン(外孫?)でもない限りマヤ語など使う必要はないし、もちろん教育システムもないという。

ビデオの中で儀式の男が口にしている謎の言語を「マヤ語を使っている」と断言してしまった作家にして語学の超天才の荒俣宏…、この代償は高く付くような気がしてならない。予言をするつもりはさらさらないが。

またこの発言について「あれはその直前の関根勤の『マヤ語使ってんのかな?』という(スタジオでの)発言を継いだだけでしょう。特に問題はないのでは…」というコメントが来ている。

いや、そうだけどね、そうなんだけどね。
だから自分は『誰だこの台本を書いたのは』とこんなトークの流れにしてしまった作家の責任だとしているのだが。

作家だけじゃないよな。この番組は生じゃないのだから、編集の段階で立ち会ったスタッフの誰かは気づいてこの荒俣発言を消すことだってできたはずなのである。

あくまでも気づけば、だが。というか普通気づいてこの部分、音声消すでしょう。だから、オマエら揃いも揃って何やってんのよと言ってるんだけど。

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