ヘンなものに穴をあけちゃったなぁと軽く後悔している。
自分は単に読者からのメールに対して答えただけのつもりだったが
「デジカメで心霊写真は撮れない」と書いたことに対しいろいろなメールコメントが来ている。
来るのはいいけれど、中には「それは自分が答える性質のものじゃないでしょう」といいたくなるものも結構多いからだ。
さて、詳しいことがわかった。
下で書いた「日テレで放送した心霊番組」であるが、正確にいうと8月30日夜7時からの「不可思議探偵団」というレギュラー番組の中のコーナーだった。
何人もの方が反応したのは「首だけの写真」というやつで、番組の中ではオカルトの専門家(研究家?)が「これは本物の心霊写真の可能性が高い」と言っていたとか。
このオカルトの専門家というのが山口敏太郎(敬称略)。
笑っていいものなのかと自分は本気で悩む。
そもそも自分はこの山口という人の定義するところの「本物(の心霊写真)」というのがわからない。
わからないが、このような感じのコメント・メールが何通か(4・5通といったところか)来ている。
番組で(使われていた)宙を飛ぶ首写真は以前何度も恐怖漫画雑誌などで何度も取り上げられたもので(中略)コンピューター画像(修正)であることがモロバレしている。(中略)こんなことも知らない「オカルト研究家」と名乗る人をテレビに出すのはどうなんでしょうねぇ。 「DOUMON」さん
「大熊猫」さんからもほとんど同じような内容のコメントが寄せられてきている。
自分はもちろんオカルト(全般)の研究家でもなければ専門家でもない。
人の肩書きなんてどうでもいいことだけれど、これだけ多くの人が「山口敏太郎(笑)オカルト研究家(笑)」みたいな書き方をしているということは、オカルトマニアの間ではこのことに対して疑問を感じていたり、あるいは否定的な意見が多いということなのでしょうね。
で、重要なことをひとつ書いておこうかと思う。
実は自分のかつての仕事仲間の一人から、この番組でも使われていた「宙に浮く首だけの写真」についての詳しい説明というものを受けたのだ。
彼女によると、この番組で使われていた「写真」は過去に雑誌などで掲載されていたオリジナル(?)にさらに手を加えて、インチキ心霊写真であることがバレないような細工がされていたものだというのだ。
彼女の説明を聞くまでもないことなのかもしれないが、自分はその写真が「ニセモノ疑惑」が非常にたかいということは納得することができた。
ただし、果たしてそれがこの番組のスタッフによるものかはどうかはわからないだろう。
番組で使う以前にどこかで誰かが手を加えていたものを番組がそのまま流用した可能性もあるからだ。
しかし、この番組が加工を施した「心霊写真」をオンエアしてしまったということだけは、これだけは拭い去ることのできない過失であったといわなければならないだろう。
どこが具体的に「加工を施した」のか。その画像がまだ手元にないのがもどかしいところなのだが。
2010.09.04
(つづく…多分ね)
下でワタシが「デジカメで心霊写真は写せない」と書いたことに対して、
「わからない」
「それは絶対とはいえない」
「間違っている」
というような反応がいくつも返って来た。
わたしが書いた「デジカメで心霊写真は写せない」ということの「論理の間違い」をこれまた論理的に説明するコメントも来ている。
ありがたいことである。
このような知的な読者が多いことがこのブログのなによりの自慢だといってもいいくらいだ。
特に最近は「リモホは割れているぞ」と明言したためか、ひやかし半分のつまらないコメントは一時に比べればぐっと減り、相対的にこのように知的な内容のコメントが際立つようになってきているといってもいいだろう。
さて、それらのコメントの皆さんに対して反論の反論をする前に、まずここではっきりとさせなければならないことがある。
それは「心霊写真」の定義である。
自分がここで「デジカメでは撮影されない心霊写真」と言ったのは
「撮影時にはそこに存在しなかったことが確認されていたにもかかわらずに写ってしまった人の顔、体、その一部に見えるような部分があって尚且つ霊媒師や霊能力者などが『これは霊である』といっているような写真」
のことである。
簡単に言えば、そこにないはずのものが写ったからこれは心霊であるというような写真のことであるともいえるだろう。
ここで除外されるのは
1 光の塊や光跡などが写っていてそれを『霊魂である』といっているようなもの
2 あるべき被撮影者の体の一部が透けていたりまたあるいは消失しているかのように見えるようなもの。それに「因縁か何かがあるから」であるとか「病気や怪我のサイン」といったはなしを抱き合わせたもの。
などである。
自分が「心霊写真」と規定するのは、あくまでも写るはずのないもの(=心霊、幽霊、死後の世界の人間)が写ったと主張されている写真である。
今まで心霊写真を「霊が写った」と肯定的に言っていたオカルトサイドの人たちは「我々人間の目に見えないものでもカメラという機械を使うことで写真という形で彼らの姿が捉えられる」と主張してきた。人間の目には見えなくてもそこには存在するからこそ写真として写るのだという主張である。[]
それに対して自分は「従来の(銀塩フィルムに感光させるような)撮影装置ならばそういう理屈は通るかもしれないが、それでは今度はCCDやCMOSといった平面に並べられた受光(半導体)素子が受け取った光(の種類)をデジタルの情報に置き換えるデジタルカメラでは写せないと言っているのだ。
もしかすると、オカルトの人の中には「霊は全て人間の目に見えるものである」という主張をしている人もいるのかもしれない。(いたとしても極少数派だろうが)
だったならば「心霊が人間の目に見えるもの」ならば、それが写真に写っていたとしても誰も不思議には思わないだろう。なにしろ撮影時にファインダーを覘いたときにも写るべき場所にその心霊の顔は見えていたことになるからだ。
しかし第一、そんなもの誰も「心霊写真」とも「あの世のものが写った写真」とは呼ばなくなるよ。写るべきものが正しく写ったごく当たり前の写真となるからだ。
それではヘンだろう。人が「心霊写真だ」「たたりだ」「因縁だ」と恐怖するのは、撮影時にはそこにはなかった人の顔が写真に映し出されているからだ。
このように「心霊写真」をどう定義するかで帰結する議論もあるし、いつまでたっても終わらない無駄な議論もある。
だから自分は「心霊写真をどう定義するかによる」とあらかじめ断りを入れたのである。
2010.09.02
追記
「人間の目に見えないものはデジカメには写らない」と書いたことに対する補足である。
このようなコメントがいくつも寄せられた。
たとえば不可視光線といわれている赤外線光や紫外線光は普通のデジタル・カメラで撮影することは充分に可能です。したがって「目に見えないもの」というあなたの定義は当てはまりません。定義ではなくて規定というべきだったかもしれない。自分の言い方が悪かったか。「もの」ではなくて「物体」というべきだったか。
「半畳」さんという方からはこのような説明が。
本当どうでもいいことですが、リモコンの赤外線は、人間の目には見えませんが、デジカメを通すと光として認識出来ます……
http://sugi.sakura.ne.jp/column/041005a.html
ですから人間の目には見えないものを撮影することは、可能です。
でも「心霊写真」は撮れないでしょうね。百歩譲って霊がいたとししても、赤外線は出してないでしょうから。この半畳さんの説明が一番わかりやすいか。
リンクされているHPをみていただくのがいいと思う。
このように不可視光線(スペクトラム)の赤外線光でもデジカメで撮影することは可能である。というかデジカメ(の半導体素子)は赤外線(のかなり高いほうならば)反応します。
ただし、自分が言った「目に見えないもの(物体)」というのは、この場合その「赤外線光を発するもの」ということになる。つまり赤外線光を発するものであるリモコンのLEDは充分すぎるくらいに我々の目に見えている。
いくらなんでも「心霊というものは赤外線光を自ら放つ」あるいは「微光の中から(他のすべては吸収してしまい)赤外線のみを反射するものだ」と主張する人はいないと思う。
仮に暗闇でこのような一見「怪しい光」をデジカメが捕えた写真があったとしても、それは原因がはっきりしているわけだから
1 光の塊や光跡などが写っていてそれを『霊魂である』といっているようなものにあてはめるまでもなく「心霊写真」の規定からは除いて考えてもらいたい。
そういう補足です。
「半畳」さん、どうもありがとうございます。
心霊写真に関する質問のメールとかが何通も来ている。なんかそういう番組があったとかで。
これはもうだいぶ前に(しかも何度も)書いたことであるが、そもそも「心霊写真とは何か」という問いからはじめないとこの問題はいつまでたっても解決はしないだろう。
でないと、まただれかが別の概念を持ち出してきて「これは心霊写真だ」と言い出してきたりして終わりのない論議の永久連鎖がつづくことになる。
ただこれは論理としてひとつだけいえることがある。
それは「デジカメで心霊は写せない」ということである。
デジカメとはそもそも「人間の目で見えるものだけを写す」ように作られている。
本来目に見えないはずのもの(それが心霊であろうがなんだろうが)がデジカメで写ってしまったら、それは単にデジカメの故障でしかないことになる。
だからデジカメでは心霊写真は写せないということになるのだ。
わかるかな。ちょっと考えれば誰でもわかるようなものすごく簡単な理屈なんだが。
2010.09.01